「不合格ライター」から学ぶ、求められる人の条件
先日は、日本のある制作会社さんとのミーティングでした。
毎回議題があります。今回は「ライター採用について」。
プロジェクトを大きくするにあたりライターが不足しているので人員を増やす。そのために外部編集者としてお手伝いをすることになりました。
具体的には、ライターさんがトライアル(採用テスト)で納品した文章チェックを担当します。
その過程で「あぁ、やっぱりそうだよね」と納得した話があったので、ここで共有させてください。
採用担当がチェックするポイントとは?
採用に関する打ち合わせのときに、担当者さんが
「もし数行読んだ段階でこんな傾向が見受けられたら、その先は読まずにストップしてください。不合格です」
と厳しくおっしゃっいました。
どんなに堪能な日本語を書ける方でも、一瞬で不合格になってしまう項目とは一体何だと思いますか?
…………(シンキングタイム)
答えは「ルールを守れない」です。
雑誌やWebサイトでは企業が決めた一定のルールをもとにトライアル(採用テスト)を行います。
簡単なところで言うと「文字数」とか。
600文字で書いてくださいとお伝えしているのに、800文字で書いて納品したら、一発で不合格になります。
これは私が前に働いていた会社でも同じでした。
お仕事を依頼する企業とライターは、実際に顔を合わせずリモートでのやり取りがほとんど。メールやチャットなどテキストでコミュニケーションを行います。
だから、何よりも「信頼関係」が大事なんですね。
言い換えると、ルールを守ることは相手への思いやりやリスペクトにも繋がります。
そんな状況の中、最初の段階で「これだけは守ってね」と決まっているのに、守られていないと、企業側は「う〜ん」となってしまうんです。
あぁ、マニュアルを読んでいないのかな、って。これからお仕事をお願いするのに不安ですよね。
正直、Webサイトによっては覚えきれないぐらいたくさんルールがあるので、破ったらNGとなるのは「根幹部分」であることが多いです。
細かい点じゃなくて「ここ破っちゃダメでしょう…」みたいな根っこのところ。
もちろん採用基準は企業によって違うため、いくらルールを破ろうとも面白い文章、美しい文章が書ければ採用!なんてケースもあります。
だから、ここでは才能有る無しに依存しない場合の話。
担当者さんがキッパリと仰っていました。
「文章力は後からでも鍛えられるけど性格や性質は私たちには変えられない」と。
私もあくまで契約していただいている「外部」編集者なので、この言葉には非常にドキドキ。(なぜ耳が痛いのだろう…)
あぁ、でも本当にそうだなぁと思いました。
内面は必ず言葉や文章に現れる
最近、自分の内側を覗いて磨くようなライティング講座を受けていて、その中でも講師の方が、こんなことをおっしゃっていました。
「小さな点を蔑ろにしたり、身近な人を思いやれなかったり、それは直接的には関係なくとも発信を通して必ず読んでいる相手に伝わります」。
ブログとか、メルマガとか、ついつい、小手先の手法に頼ってしまいがちだし、もちろん時には必要であるものの。
やっぱり「言葉」「文章」は人間から出る最後のアウトプットなので、中身(精神)を整えるほうがもっと重要なんですよね。
私が掲げている「ハートライティング」もパパッと適当に書くんじゃなく、
土台や基礎を鍛えて、必要なツールを学んで、つまづきを解消して、結果的に速く書けるようになる。そんな意味合いが強いです。
本との出会いもそうであるように、必要なときに必要なメッセージが自分のもとへ降りてくると思っているので、制作会社の担当者さんやライティング講師からの言葉は
「心を整えて、足元を見直してね〜」
という、今の私に必要な考え方なのかな、と感じています。
心構えと言ったらやや大袈裟ですが、これから発信をがんばりたい方にとって
何か心に留まるものがあると嬉しいです。
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